雲ノ平・高天原、再び 2日目2018/07/20

20日
4:40双六小屋-8:50三俣山荘9:10-10:05黒部源流碑-11:40岩苔乗越-13:45水晶池-14:50高天原山荘15:15-15:30温泉-15:50夢の平-16:15温泉(入浴)16:40-17:05高天原山荘
雲ノ平20日
高低差 登り1,044m 下り1,468m 距離14.9km
20日断面図
朝は4時に起きました。
今日も快晴
すでに薄明かりでヘッドランプは使わずに準備して4時半に出発。小屋の朝食は弁当にしてもらいました。
三俣山荘への道は3本ありますが、直登ルートは雪が残っていて危険、巻道も雪渓が残っていてアイゼンが必要との事です。中道は残雪も無くアイゼン不要でしたので、この道を行くことにしました。
この情報は双六小屋のサイトで出発前に確認済みで、当初は軽アイゼンを持参しようと思っていましたが、残雪の無い中道が使えるので軽アイゼン持参はやめて、軽量化することにしました。
双六への直登・中道・巻道の分岐
中道は双六岳のカール状の地形を歩くので、お花畑が連続していてとても気持ちの良い道です。
コバイケイソウの群落

雪渓に映る我々の陰
槍ヶ岳の北鎌尾根を右後ろに見て、前方には鷲羽岳や水晶岳、祖父岳がそびえています。
定番の槍穂高

中道の背後には槍ヶ岳
まわりを高峰に囲まれて歩くのが北アルプスの醍醐味です。
薬師岳と雲ノ平
三俣山荘へは途中で朝食(双六小屋の弁当で美味)を取ったりしたので大分時間が掛かりましたが、あくせく歩くだけが山登りではありません。時にはのんびり歩くのも有りですね。
鷲羽岳と三俣山荘
三俣山荘で30分ちかく休憩してから黒部源流碑のある谷へ下りました。
三俣山荘
この谷もコバイケイソウの群落が多く、今年は当たり年のようです。
ここにもコバイケイソウ
源流碑付近には数本の沢が流れ込んでいて、黒部の最初の一滴という感じはありませんが、この場所があの黒部川の源流だと思うと感慨深いものがあります。
黒部源流碑
源流碑からは岩苔乗越を目指します。広い沢沿いを登り、途中で昼食を取って乗越には11時40分到着。
岩苔乗越より祖父岳
乗越からの道は北斜面なので、雪渓が残っているのではないかと心配でしたが、登山道には全く残っていませんでしたので助かりました。
水晶池手前より岩苔乗越を振り返る
水晶池まではコースタイムどおり2時間。水晶池は登山道から離れているので、ザックをデポして空身で池に行きました。
水晶池

水晶池から水晶岳
水晶池はかなり広く、池というより湖に近い感じです。誰もいないと思っていたら、草原に人が両膝を立てて横になっていました。
死んでいるのではと心配するメンバーもいて、私が恐る恐る近づいて、大きな声でメンバーに話しかけると、横になっている人が突然上半身を持ち上げました。
やはり生きていたと一安心。水晶池の写真を撮って早々に引き上げました。
水晶池から1時間で高天原山荘着。
高天原の草原

高天原山荘
宿泊の手続きをしてザックを置き、早速温泉に向かいました。温泉までの道は20分の下り道です。せっかく温泉に入っても帰り道でシッカリ汗をかきそうです。
温泉は温泉沢の沢沿いにあり、男女別の露天風呂と混浴の露天風呂があります。温泉には入らずに夢の平に先に行きました。
夢の平は今回計画した一番の目的地です。若い時に高天原から温泉沢を通り、夢の平から赤牛沢を登り、赤牛岳から水晶岳を通ってテントを張っていた雲ノ平に戻ったことがありました。その時、高天原から温泉沢に出て、当時は入浴場はなく、沢のほとりで岩をどけてホール状にした湯船につかるだけでしたが、それでも2週間ぶり(?)の風呂は最高でした。
温泉沢から20分程で夢の平に到着。昔の記憶では森の道が突然開け、草原の中に池塘が散在し、遠くには赤牛岳が望める、けだるい様な気分になった記憶が残っています。今回行ってみると、平だった草原は傾斜と起伏のある草原で、池塘は枯れていました。竜晶池は草原の道から右に離れているので、昔来た時の記憶には残っていません。
夢の平
記憶は時間が経つと変わっていきますし、自然も時間の経過とともに変わっていきます。少し期待外れでしたが、黒部源流のそのまた奥にある秘境の雰囲気は十分に残っていました。
竜晶池
昔は夢の平から高天原新道が黒部湖の平の渡しまで通じていましたが、30年ほど前に廃道となり、今では通ることはできません。
途中にある姿見平や薬師見平の草原へ行くには赤牛岳から下るしかないと、小屋の方が言っていました。
温泉は左岸に混浴の露天風呂、右岸に男女別のよしずに覆われた風呂があります。露天風呂には3名入っていましたので、男性用の風呂に入りました。
男性用温泉
乳青色の湯で温度は高め、湯花が沢山浮いています。湯の中で足を中心にマッサージをして疲れを取りました。
小屋の夕食が5時なのであまりゆっくりもしていられず小屋へ戻りましたが、歩くと先ほどとは違って軽やかになりました。温泉の効果が出たようで、疲れが少しとれたようです。
ランプの宿
小屋には生ビールはありませんが缶ビールは1Lや750ml、500ml、350mlがあり、500mlを購入して夕食時に飲みました。
この小屋はランプの宿で発電機は無いようです。ビールなどを冷やすのも流水を使っていました。
2階はひと間になっていて、我々はその1/4を使えたのでゆっくりでした。屋根の断熱があまりされていないようで最初は暑かったのですが、寝るころには丁度良い温度になりました。