雲ノ平・高天原、再び 3日目2018/07/21

21日
5:35高天原山荘-6:40高天原峠-7:35詩ノ原-9:25雲ノ平山荘-10:55スイス庭園-13:30黒部源流碑-14:30三俣山荘
雲ノ平21日
高低差 登り  907m 下り 488m 距離 9.5km
21日断面図
今日も快晴です。4時半に起きて5時に小屋の朝食。今回の山行で、小屋の朝食をとるのは高天原山荘だけです。夏の北アルプスでは朝日と一緒に歩きだし、昼過ぎには目的地に着くのが基本です。午後は怖いカミナリが発生するので、出来るだけ行動を午前中で終わらせ、午後は休養が理想です。と、考えていても中々そうはいきませんが。
5時半に小屋を出発して、高天原の草原を後に雲ノ平を目指します。
雲ノ平へ出発

朝の高天原
昨日下って来た岩苔乗越からの道との分岐を高天原峠方向に進み、岩苔小谷の沢を渡って、峠には6時半過ぎに到着しました。
岩苔乗越と高天原峠への分岐

高天原峠
峠からは雲ノ平の台地に登る急登になります。
雲ノ平への長い梯子(上から撮影)
ハシゴも設置されている急登を登りきると詩ノ原の草原です。ようやく雲ノ平らしくなってきました。
ようやく台地へ
雲ノ平は平坦な台地と思い込みそうですが、実際には起伏や段差があります。
薬師岳
詩ノ原を過ぎると又少し登りとなり、奥スイス庭園の先にはコロナ観測所の送信塔が立っています。
奥スイス庭園と北方の山々

奥スイス庭園

左にコロナ観測所のアンテナ
また歩きすすめると左に岩場があり、雲ノ平山荘を中心とする雲ノ平の全体が見渡せ、周囲を3千m級の山に囲まれている雲ノ平ならではの光景が広がっています。
水晶岳と昨日下った岩苔小谷

雲ノ平山荘、笠ヶ岳(左)、黒部五郎岳(右)

雲ノ平

立山(中)と赤牛岳(右)
雲ノ平山荘に近づくと小屋の従業員が走ってきて、今ヘリが来ますから伏せて下さいとのこと。すぐにヘリが飛来し砂埃を巻き上げて荷物を降ろすと直ぐに飛び去って行きました。
雲ノ平山荘

ヘリの荷揚げ
10分間隔で飛来するので小屋に入り休憩しました。建物は新しく、最近建替えられたようでした。
今日の荷揚げはあと6回程度あると聞いたので、合間をぬって小屋をあとにしました。
木道を少し歩くとキャンプ場分岐に到着。水が必要なメンバーは坂の下のキャンプ場まで水を取に行きました。
分岐からすこし木道を歩くとスイス庭園分岐に到着。
スイス庭園
せっかくですからスイス庭園に向かいましたがこれが正解。庭園もさることながら、見下ろす岩苔小谷がスイスのグリンデルワルトを彷彿させます。
スイス庭園から岩苔小谷(水晶池も見える)
しばらく景色を堪能して祖父岳へ向かいました。
木道を祖父岳へ
登路は祖父岳を右に回り込む道です。途中景色の良いところで昼食にしました。雲ノ平山荘の向こうには薬師岳が大きな山稜を横たえています。
第1雪田をすぎると黒部源流碑のある谷へ急降下します。
第1雪田付近から槍ヶ岳と三俣山荘
ガレ場の急斜面で、下から登ってくる登山者に当たれば大事故になります。石を落とさないように注意して慎重に下りました。
源流碑に1時半に到着。冷たい沢水を飲んで人心地つきました。碑から三俣山荘へはコースタイムで50分。30分ほど登ると岩の上に場違いな女性(髪はアフロヘア風、スカートをはいてサンダル履き)が座っていました。
聞くと、山荘の従業員で休憩時間を気に入った岩の上で休んでいるとのこと。あと10分で山荘ですと教えて頂いたので、勇躍して登りましたが20分近く掛かってしまいました。
山で生活している人とは脚力が違いますから、割引いて考えないと痛い目にあいます。
山荘には2時半に到着。指定された二階の場所に荷を下ろしました。二階の反対側は空いていたので、登山者が到着する時間を過ぎてから、反対側へ移動して良いかと聞いたところ、どうぞお使いくださいとのこと。
早速移動して、二階の半分を我々で独占出来ました。荷をほどいてから二階にある展望食堂でビールやワインでくつろぎました。丁度テレビ局(8月5日夢大陸?)が撮影に来ていてインタビューを受けたりしました。
初代小屋主の伊藤正一さんが開拓した伊藤新道は現在では廃道になっていますが、5年後をめどに整備しているとの事でした。若い時にこの道を湯俣まで下ったことがあります。伊藤新道が通れるようになれば、三俣山荘まで最短1日で入れます。5年後に登れる体力が残っているか分かりませんが、期待したいと思います。
今回の行程中、今日がいちばん余裕があります。計画段階で3日目の宿泊を三俣山荘にするか双六小屋にするか迷いましたが、3日目に少し余裕を持たせて、最終日は少し頑張れば帰れるので、三俣山荘泊まりにしました。
結果的には日程の途中で休養が取れたので良かったと思います。毎日ギリギリで計画すると思わぬ体調不良などが起きて計画全体に影響します。長期の山行は途中に休める日を設定するのも必要と思います。
今回の山行で初めて夕日の景色を楽しめ、寝るまでのひと時を楽しめました。
夕日の大天井岳
夜はぐっすり明け方まで熟睡しました。3晩とも星空を見る余裕が無かったのがちょっと残念!